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zoom RSS LP辞典(鱒書房・1953発行)からオーディオ黎明期に思いをはせました(前編)

<<   作成日時 : 2017/03/04 21:45   >>

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 先日、フェアチャイルド205E・パッシブ型フォノイコライザーをマイクアンプ(サウンドクラフト・スピリットフォリオ)に繋いでLPを再生する実験をした事を書きました。
 その時は音の素性は良かったものの、S/Nが悪くて上手く行ったとは言い難い結果でした。

 なんとかしてやろうと、針をMM(シュアM97xE)に変えたり、MC(DL103)にしたり、高出力MC(DL102、ベンツマイクロACE SH)にしたり、ソレに昇圧トランスを咬ませたりして頑張りましたが結果は大きく変わりません。
 205Eがアカンのかもと新忠篤式に変えてみましたが変化なし。アース線も繋いだり外したりいろいろ試しましたが捗々しくない。

 愚痴っていますと、中部地方の親切な先輩がボザーク、ARTのミキサーやシュアのラインアンプを借してくれたり、自分でもユニバーサールオーディオのミキサーを試したり、205Eとミキサーの間に12dbゲインの真空管式ラインアンプを挟んだり、ターンテ―ブルアースを取ったり、思いつくことは随分やりましたが、大同小異です。

 ネット情報も探してみましたが、目を引く物はありません。思い余ってネット掲示板で質問してみましたが、反応なし。

 うーむ、進退此処に窮まったベンプレ親父は昔の成書に解答は無いかと考えました。
以前岡山のオーディオマエストロで「LP辞典」という1953年刊行の本を見せてもらった事があり、オーディオ的な内容も多く含まれていたので、この時代のヤツなら何か載ってないかいなと。
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 これがそのLP辞典です。ちょっと高かったのですが、資料集としての価値もあるだろうとアマゾンで取り寄せてみました。
 初版発行の1953年といえばRCA70-C1モビー・ディックやフェアチャイルド205Eが現役で活躍していた時期ですから、有益な情報が載ってるかもとページを捲ってみましたが…
 うーむ、この本は1700ページを超える大著、オーディオ編も500pもあるのですが、業務用ではなく好事家向きですのでプロ機の情報は殆ど無かったです…
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 でも面白いですよ。付録にストロボスコープが付いていますぞw
 執筆は藤田不二氏と高城重躬氏(ベンプレ親父、学生時代に一度だけコンクリートホーンのお宅にお邪魔したことが有ります)の共著です。藤田氏が「鑑賞編」、高城氏が「技術編」を書いておられます。

 高城氏は旧いオーディオマニアは皆さんご存知ですが、藤田氏はベンプレ親父、知りませんでした。ネットで調べますと、1950年ごろのレコード評論家で、野村あらえびす氏との共著もある方でした。
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 資料としての発見は「クリプッシュ氏コーナーキャビネット」として紹介されているメーカー名や型番の無い上の写真が、どこから見てもバイタボックスCN191コーナーホーンだった事です。
 この本は1953年発刊で、1951年から執筆が始まったそうですから、その頃にはCN191(1947年製造開始)は紹介されていたのでしょうか?
 1960年代に山中敬三氏、原田勲氏、中野英男氏が個人輸入するまでほとんど知られていなかったと言われるバイタボックスですが、高城氏はその10年以上前にその存在を知っておられた様です。
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 高城邸の旧・天井ホーンの写真も載っていました。当初使用したウーハーは以外にもウエスタンだったそうです。

 さて、LP辞典、オーディオマエストロで初めて見たのですが、マエストロの是枝さんの話では「出版社が鱒書房なんで、嫌う人もいるんですよ、この本」。

 何か問題あるのかなとネットを覗きますと、鱒書房、戦後のエログロ・カストリ雑誌でメジャーになった出版社の様です。ココの「月刊・夫婦生活」という戦後すぐの猥褻図書など、神田の怪しい古書店で結構高値で取引されてるらしいです。

 その後も紆余曲折を経ながらこの出版社は生き残り「都山書房」、「ビデオ出版社」更に2010年には「インテルフィン」と社名を変更して今はコンビニ販売のパズル雑誌で頑張ってる様です。
 「ビデオ出版社」時代に出してるのはエロ雑誌とアダルトDVD。念が行ってるのは相変わらずゲリラ系、変態系一本やりな所。SMなんかマシな方で、シ―メールや妊婦など超ニッチを深堀りしていました。どうも大洋図書あたりと競合してたみたいですね。

 鱒書房、創立は昭和20年ですから、おそらく創業者は他界しておられると思いますが、会社のDNAは脈々と息づいていましたなw

 鱒書房の面白い所は、カストリ雑誌で稼ぐだけでなく、戦記物や純文学、このLP辞典の様な音楽系書籍も少なからず出している所です。
 今となっては情報が無いですが、創業者はおそらく野村あらえびす氏や西条卓夫氏、新潮社のS氏、ステレオサウンドの原田氏などと交流のあった音楽好きな文化人だったのでは。

 うーむ、人間臭くて面白いよね。五味康介氏や故・勝見洋一氏もそんな匂いがするよね。
 女子高校の校長先生だった、どこからみてもガッチガチの堅物にしか見えない高城重躬先生が、鱒書房にこれ程の大著を書き下ろしてるのもなんだか楽しいよね。

 LP辞典、大事に読みます。

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