ヤマト運輸の変質が気がかりです(その1.)

 今日、ロンドンウエスタンのレシーバー30150Bのネジの嵌合の不具合を修理するために、横須賀まで宅急便で贈ろうと、赤穂市のヤマト運輸集配所まで30150Bを持ち込みました。
 この30150B、年末(12月30日だったかな?)に両方の振動板のビビリと片方のネジの嵌合不良で横須賀にヤマト運輸で送ったものです。
 1月20日に修理完了とて、やはりヤマト運輸で我が家へ帰ってきました。忙しかったので昨夜ようやくWE13Aに装着してみましたが、ビビリは治ったものの、やはり片方の30150Bのネジの嵌合が悪く、再修理になりました。

 ところが今日、その30150Bをヤマトの集配所に持ち込んだところ、受付の女性が受け取れない、送れないと。
 「年末、1月と二度も運んでいるスピーカーを今度は運べないとはおかしい」と言うと、「前回はスピーカーと伝票に書いたのか?」と。
 年末に私が書いた伝票はもう手元にありませんでしたが(レシーバーまたはスピーカーと書きました。古いものであることも伝えました。たしか保険を余分にかけました)、「1月20日にヤマトがウチに運んだ伝票にはスピーカー、WE30150Bと書いてある」と見せました。

 押し問答の末、「今回だけは運びますが、もう二度と運びません」という事で、私がお願いして年末にこのスピーカーを受け取って送ってくれた事務員さんの詫び状と美術品運送専門のヤマト関西美術支店の電話番号をもらいました。
画像

 質の悪いビンテージオーディオ業者が、ビンテージ品を宅急便で運び、壊れたとねじ込んで、保険金を搾取する事故が頻発し、宅急便がオーディオ製品を運ぶのを躊躇する話は聞いていました。
 しかし、ヤフオクで取引されているビンテージオーディオ製品は半数以上がヤマトで配達されていると思います。私も時々落札しますが、品名はちゃんと書かれています。

 「販売店からの直送品以外のスピーカーはお断りしている」とのことで、「では皆どうしているのか?」と聞くと、「佐川急便か、ゆうパックに持ち込まれているのでは。その後どうなったかは知りません」との返答。

 ここには二つの問題があると思います。一つは対応する人によって、荷物を受け取ったり受け取らなかったりしている問題です。まあ、これも顧客としては困りますが、会社内部の情報伝達不足というミスであり、本質的な問題ではありません。
 最大の問題は、サービス業としてのソリューションを顧客に示していない点です。

 日本の宅配業者は徐々に淘汰が進み、今ではヤマト、佐川、ゆうパックの3社にほぼ集約されました。このどこかの会社が品物を運ばなければなりません。
 如何に解決すべきか、ソリューションを探し、提示する努力が宅配業には必要です。

 ヤマト運輸を宅急便の会社に転換し、物流革命を起こした小倉昌男氏は、郵便局や国鉄での貨物輸送の不便さを解決するソリューションとして「クロネコヤマトの宅急便」を始めました。
 
 数々の規制と戦い、裁判をも経ながら、ついに彼は宅急便を国民の物流の基盤として確立しました。その過程で、ゴルフ宅急便、スキー宅急便、クール宅急便などの我々顧客の要求の先を行く数々のサービスを編み出しました。現代の寵児であるアマゾンも楽天も宅配便なくしては成り立ちません。

 私はヤマトがクール宅急便を始めた時のCMをよく覚えています。
 白いメス猫(顧客)が様々な要求をし、黒いオス猫がヒーヒー言いながら対応します。クール宅急便までたどり着いたとき、白猫は言います「今度はねえ・・・」黒猫はギョッとしながら「えっ、まだあるの」と言います。
 この顧客へのソリューションをどこまでも追求しようという姿勢がヤマトの社是であったはず。

 もう20年も前のCMですが、このCMが出たときに、私は法人の経営会議でこのヤマトの飽くなき開拓精神を同じサービス業(医療・介護事業者)として範とするべきだと話したことも覚えています。

 やがて小倉氏は引退し、逝去されました。社会も変わっていきます。
 昨年、一昨年は宅配便の数が膨大となり、アマゾンをはじめとする大口顧客の値引き要求で事業は歪み、ついに現場の過剰労働から宅配業界は崩壊一歩手前まで行きました。

 私は田舎暮らしでもう若くはないので、宅配便には大変お世話になっています。ですから少しでも労働環境が向上するように、大型の宅配ボックスを玄関横に設置しました。
 ヤマトと佐川の配達のおじさんに伝達すると、大変喜んでくれました。
ゆうパックはまだ官業のシッポを引きずっている様で、宅配ボックスの位置を絵で書いて、必要事項を埋めた書類を赤穂郵便局に持参せよとのことでした。
 妻がその書類を持参したところ、赤穂郵便局の管轄地域ではお宅が第一号ですと言っていたそうです。

 我が家の50m先にはコンビニがあるので、荷物はそこに出しても構わないのですが、なるべく集配所に持参することにしています。少しでも集配の手間が省かれれば労働緩和になるだけではなく、宅急便の効率化に繋がり、我々顧客にも良いことですから。

 宅配便は電気、ガス、水道、公共交通機関、病院などと同じように、社会の欠くべからざるインフラになったと認識しています。我々もインフラを守るべく協力しなければならないし、インフラ提供者もそのインフラが機能不全に陥らないように不断の努力が義務付けられていると思います。

 しかるに今回の「ビンテージオーディオは運びません」事件は社会のインフラ提供者としての義務を果たしていないと思います。
 方法はあると思います。

 例えば「ビンテージオーディオの場合は故障しても保証しない」、「ビンテージオーディオは保証しないことを納得する場合は輸送する」という決まりを作り、これを是とする顧客の宅配は受け入れる事にしては。こうすれば保険金も不要なので、宅配便側も利益が増えるのではないでしょうか。
 そして、無保証に納得しない顧客には美術品運搬を紹介してはどうでしょう。それはそれで、利益が出ると思います。
 繰り返しになりますが「運びません。あとはどうなったか知りません」では社会のインフラ足り得ません。

 私の一番尊敬する経営者は実は「小倉昌男」です。日経新聞の私の履歴書は、貪り読みました。朝、朝刊が来るのが待ち遠しいほど。
 小倉氏の本は自ら書かれたもの、周囲の人が書いたもの、死後書かれた物など5~6冊は読みました。
 
 私は二箇所の障害者の自立支援・就労支援施設と一箇所の障害者デイサービスセンターを運営していますが、その経営もヤマトをリタイヤして障害者事業に乗り出した小倉氏のそれを範としています。

 「絶対に赤字にするな。俺の目の黒いうちはいいが、赤字にしていたら次の経営者は支援施設を廃止するかもわからんぞ」と経営会議ではいつも言います。
 障害者の給料も手取りで6.5万円、障害者年金(20歳からもらえます)6.5万円と合わせると手取り13万円になりますので、年度末の臨時賞与を合わせると、手取り年収は170万円くらいです。ひとまず生活は成り立ちます。
 給与分を10万円にし、年金と合計で手取り16.5万円にする事が目標です。

 現在、パン・お菓子製造、うどん店、清掃業、リネン業を行っており、前の二つの事業がスレスレかちょい赤字、後ろの二つの事業は黒字で、トータルでは若干ですが黒字です。

 経営だけなら清掃とリネンだけでも良いのですが、パン屋さん、うどん屋さんは外部に開かれた仕事で、社会との接点が多い仕事です。健常者の末端顧客から直接「ありがとう」を受け取れます。
 
 それに少しでも多くの障害者の自立支援を行うことが障害者事業に関わる者の努力義務だと考えます。うどん、パン製造は人手が要りますし、健常者と障害者が一緒に働けるのも良いところです。

 うちのお菓子は2,3年前にスウィーツ甲子園の兵庫県大会で優勝し、関西北陸大会へ進んだ程で美味しいです。皆、誇りを持って働いています。

 私の経営の心の師である小倉昌男氏のヤマト運輸が今回のように顧客志向から乖離して、理念から遠ざかっていくのを見ることは寂しいことです。
 小倉昌男氏ほどの天才を、続けて経営者として迎えることが困難なのはよく判ります。しかし理念を失った会社がどうなって行くかは歴史が証明しています。
 顧客志向と弛まざるソリューションの開発こそがヤマトであったはず。

 何処へ行ってしまったんでしょうか。
 
 「われはヤマトなり。ヤマトはわれなり」は。

P.S.
 先ほどヤマト運輸のHPを覗いてきましたら、貴重な壊れ物など30万円を超える物は宅急便では送れませんが、別に保険をかけてヤマト便で送れるそうです。
 前回12月末にヤマトの赤穂集配所から送ったときは、別に保険をかけましたから、ヤマト便で送ったのかもしれません。

 しかし、今回は「保険を掛ける」といっても取り合ってもらえず、前回保険をかけて送ってくれた事務員さんもその場にいたのですが、無言でした。
 今回対応に出た女性が、年末に荷物を処理してくれ、今回詫び状を書いてくれた事務員さんの上司だったのかも。

 保険金を払うといったのですが、今回対応した女性は「あらかじめ保険はかけてある」との一点張りでした。

 顧客が困っているときはなんとかしようと考えるのがサービス業のイロハのイです。「今回は運びますが、もう二度と運びません」が正しい対応なのでしょうか。
 「どうすれば運べるか」との視点は全くありませんでした。美術品運送の連絡先を聞いたのも私で、彼女の提案ではありません。

 「とにかく運べません」で終了はおかしいし、なぜヤマト便への切り替え提案がなされなかったのかも不明です。 

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

イモオ
2018年02月06日 12:40
短期利益を求めて就労支援に参入する施設もある中、先生の施設が長く続くことを願ってやみません。
私も小倉昌男氏について勉強してみようと思いました。
mambo
2018年02月06日 17:07
うわ~ 大変なことになっていますね。高額なモノだけに心配ですよね。
首尾よく行きますように、、、。
私がお願いしているヤマトのセンターでは、スピーカーでも大丈夫ですよ。もちろん、ダブルボックスで完璧な梱包にして、センターへ持ち込み、センターでもコーナー当てをしてもらって送り出ししてくださいます。
やはり高額なのがいけないんでしょうか?

トランクに入れて東京まで運ばれて、そこでどなたかに横須賀まで協力していただく、、、、な~んて上手い方法はないもんでしょうかしら? 現代版飛脚?
ベンプレ親父
2018年02月06日 20:46
イモオ様、コメント有難うございます。

現在、小学一年生就学児童の6%に何らかの障害があると言われています。この層の中から相当数が生産的な活動に従事できるはずで、彼らも社会もそれを望んでいると思います。
ベンプレ親父
2018年02月06日 20:57
mambo様、コメント有難うございます。

宅急便は物流の安定と利便性向上がが社会的使命ですから、中古オーディオを運搬する手段を業界として、会社として考え、提案する責任があると思います。
魚も会社も頭から腐るそうですが、トップに人を得ない企業の迷走は目を覆うばかりですね。

ところで、2090Aのホーンを交換されたようですね。ゴン蔵様のブログで拝見しました。
mambo
2018年02月07日 14:04
"2090Aのホーン交換"、、、、あはは、紺屋の白袴で、ようやく交換できました、、

というより、ブツはあったのですが、レストアとスタンド製作が後回しになっていたのがようやく作業に入れたというのが正解です、トホホ f^_^;

この記事へのトラックバック