ランシングのシャラーホーンを聴かせていただきました !!
長年使っていたノートパソコンですが、キーボードの文字があちこち消え、Aのキーなど表面が凹んできました。
電源も入りにくい時が出てきたため、データが飛んでは一大事、今日から新しいノートパソコンに変更しました。
まだ写真のトリミングの方法がわからないので、ブログも書きにくいですが、何とか書いてみましょう。
以前からお世話になっているM様のご紹介で、I様のオーディオルームにお邪魔しました。
奥にある大きな15セルホーンの低域こそがランシングのシャラーホーンです !!
低域ユニットはLchが写真のランシング415、Rchは伝説のMGM・シャラーホーンに装着された同社の栄光のユニット、15Xsです !!
高域はどちらもランシングの287です。ウーハー、ドライバーともにランシング社(JBLじゃないですぞ)の励磁型です !!
低域のエンクロージャーはシャラーホーンタイプです !!
上の15セルホーンはRCA製なので、RCAの箱ではないでしょうか。凄いですね。
シャラーホーンシステムは我が家のバスビン、長野の駒ケ根市で聴いたクラングフィルムのオイロッパ・クラルトンに次いで3代目です。
今回聴かせていただいた、I様のシャラーホーンこそ、最もMGM社のオリジナルに近いと思います。なにしろユニットがランシングの励磁ですから。
バスビンを手に入れてから30年余がたちますが、以前から不思議に思っていたことがありました。このシャラーホーン、同型のホーンを数社が同時に自社ブランドで作っていたらしいことです。
オリジナルはMGMですが、JBLもバイタボックスもクラングフィルムも同じ形のホーンを作っています。
同時代かその少し後のクリプッシュホーンは特許がかかっており、エレボイのパトリシアンは特許使用料を払って作っていたはずです。
先日購入した佐伯多門先生の「スピーカー技術の100年」を読んで、疑問が氷解しました。p198~p204がシャラーホーンに関する記述ですが、こう書いてありました。
「MGMでは、このスピーカーシステムをトーキー映画用として普及させるため、映画技術協会(M.P.E.S.)に働きかけて技術資料を公開してシアタースピーカーの標準として扱い、使用できるようにしました」
なるほど。MGM映画はトーキー設備で一山当てる意図はなかったようで、より良い映画音響の開発によって、トーキー映画の隆盛を図るのが目的だったようですね。
その理念に共感して、オルソン、ヒリヤード、ランシング、ステファンスなど名だたる学者、技術者が集結したのでしょう。
佐伯先生の本にはオリジナルのMGMシャラーホーンのほかにRCAが2機種、ランシング、ジェンセン、エレクトロボイス、クラングフィルム各社のシャラーホーンの写真が出ています。
エレボイにもシャラーホーンがあったとは知りませんでした。
シャラーホーンは1936年にアカデミー映画芸術科学技術賞を受賞していますから、開発は1935年くらいでしょうか。今から80年以上前の技術ですね。
私がバスビンを入手したのは1984年だと思います。当時はバイタボックス社の現行品でしたが、1990年になる前に生産は完了していたと思います。
当時、生産されていたシャラーホーンはバイタボックスのバスビンだけでした。開発から当時すでに50年を経ており、今思えばスピーカーのシーラーカンスのような存在だったのでしょう。
私は最後のシャラーホーンを入手したのだと思います。
そのシーラーカンスのご先祖様に今日初めて邂逅いたしました。拝みたくなるところですが、まあその人前でしたので三拝九拝は止めておきましたがw
ご先祖様はジェンセンのつぼ型ツィーター、RCAの15セルホーン+ランシング287とともにWEの41,43、46などのアンプで鳴らされていました。
プレーヤーはレコカットのリムドライブ、アームはWEやグレイ、針はWE9Aがメインでした。
素晴らしく浸透力のある音で驚きました。スケールが大きく、スタジオ録音のLPも大ホールで録音したかのようなのびのびした響きの豊かな音で、まさしく威風堂々でした。
ジャズとクラシックを聴かせていただきましたが、フルベンの「田園」やワルターのリハーサル風景の録音盤など目を見張るような音でしたね。
我が家のバスビンは15インチウーハー2発入りでホーン開口部の長辺が約1.9m、短辺が1m弱で15インチ4発入りのMGMシャラーをちょうど半分にした様なサイズです。
聴かせてていただいたシャラーは15インチ1発で、ホーンの長辺が少し小さく1.5m位だと思います。
クラングフィルムのオイロッパクラルトンは70cmウーハー一発入りで長辺が約3.2m、短辺が約1.2m位でした。
少しづつサイズが異なり、各社ごとの工夫があるのでしょうが、基本構造はどれもMGMのシャラーホーンそのものですね。
すごく勉強になって、刺激的で、楽しい1日でした、I様、M様、有難う御座いました。
他にも以下の写真のようなお宝がゴロゴロ。
どれも解説不要の名器ですね。
ランシングシャラーホーンが横綱、Ks6368+555+A5(最古のタイプのA5です。新し箱よりずっと硬くて重い板で作られています)が大関、WE753システム(ドライバーは以前京都で聴かせていただき驚いたWE713)が関脇といったところでしょう。
753には確かWE25パワーアンプが充てられていたように思います。
どのシステムも聴きごたえ充分でした。
P.S.
I様、M様に午前中にベンプレ亭書斎によっていただき、我が家のバスビン、オイロダイン、WE13a、ロンドンウエスタン、グッドマンを聴いていただきました。
皆さん大人ですから、ズバリとは申されませんが、どうもベル・ハウエルの箱に入ったグッドマン・AXIOM22、べークダンパータイプの評価が高かったようです。
少々焦りましたが、お二方とも巨大なホーンシステムを普段聴いておられるので、「壺中の天」を感じられるAXIOM22が面白かったのでしょう。
いや、そういう事にしましょう、私にもそういう所がありますからw
電源も入りにくい時が出てきたため、データが飛んでは一大事、今日から新しいノートパソコンに変更しました。
まだ写真のトリミングの方法がわからないので、ブログも書きにくいですが、何とか書いてみましょう。
以前からお世話になっているM様のご紹介で、I様のオーディオルームにお邪魔しました。
奥にある大きな15セルホーンの低域こそがランシングのシャラーホーンです !!
低域ユニットはLchが写真のランシング415、Rchは伝説のMGM・シャラーホーンに装着された同社の栄光のユニット、15Xsです !!
高域はどちらもランシングの287です。ウーハー、ドライバーともにランシング社(JBLじゃないですぞ)の励磁型です !!
低域のエンクロージャーはシャラーホーンタイプです !!
上の15セルホーンはRCA製なので、RCAの箱ではないでしょうか。凄いですね。
シャラーホーンシステムは我が家のバスビン、長野の駒ケ根市で聴いたクラングフィルムのオイロッパ・クラルトンに次いで3代目です。
今回聴かせていただいた、I様のシャラーホーンこそ、最もMGM社のオリジナルに近いと思います。なにしろユニットがランシングの励磁ですから。
バスビンを手に入れてから30年余がたちますが、以前から不思議に思っていたことがありました。このシャラーホーン、同型のホーンを数社が同時に自社ブランドで作っていたらしいことです。
オリジナルはMGMですが、JBLもバイタボックスもクラングフィルムも同じ形のホーンを作っています。
同時代かその少し後のクリプッシュホーンは特許がかかっており、エレボイのパトリシアンは特許使用料を払って作っていたはずです。
先日購入した佐伯多門先生の「スピーカー技術の100年」を読んで、疑問が氷解しました。p198~p204がシャラーホーンに関する記述ですが、こう書いてありました。
「MGMでは、このスピーカーシステムをトーキー映画用として普及させるため、映画技術協会(M.P.E.S.)に働きかけて技術資料を公開してシアタースピーカーの標準として扱い、使用できるようにしました」
なるほど。MGM映画はトーキー設備で一山当てる意図はなかったようで、より良い映画音響の開発によって、トーキー映画の隆盛を図るのが目的だったようですね。
その理念に共感して、オルソン、ヒリヤード、ランシング、ステファンスなど名だたる学者、技術者が集結したのでしょう。
佐伯先生の本にはオリジナルのMGMシャラーホーンのほかにRCAが2機種、ランシング、ジェンセン、エレクトロボイス、クラングフィルム各社のシャラーホーンの写真が出ています。
エレボイにもシャラーホーンがあったとは知りませんでした。
シャラーホーンは1936年にアカデミー映画芸術科学技術賞を受賞していますから、開発は1935年くらいでしょうか。今から80年以上前の技術ですね。
私がバスビンを入手したのは1984年だと思います。当時はバイタボックス社の現行品でしたが、1990年になる前に生産は完了していたと思います。
当時、生産されていたシャラーホーンはバイタボックスのバスビンだけでした。開発から当時すでに50年を経ており、今思えばスピーカーのシーラーカンスのような存在だったのでしょう。
私は最後のシャラーホーンを入手したのだと思います。
そのシーラーカンスのご先祖様に今日初めて邂逅いたしました。拝みたくなるところですが、まあその人前でしたので三拝九拝は止めておきましたがw
ご先祖様はジェンセンのつぼ型ツィーター、RCAの15セルホーン+ランシング287とともにWEの41,43、46などのアンプで鳴らされていました。
プレーヤーはレコカットのリムドライブ、アームはWEやグレイ、針はWE9Aがメインでした。
素晴らしく浸透力のある音で驚きました。スケールが大きく、スタジオ録音のLPも大ホールで録音したかのようなのびのびした響きの豊かな音で、まさしく威風堂々でした。
ジャズとクラシックを聴かせていただきましたが、フルベンの「田園」やワルターのリハーサル風景の録音盤など目を見張るような音でしたね。
我が家のバスビンは15インチウーハー2発入りでホーン開口部の長辺が約1.9m、短辺が1m弱で15インチ4発入りのMGMシャラーをちょうど半分にした様なサイズです。
聴かせてていただいたシャラーは15インチ1発で、ホーンの長辺が少し小さく1.5m位だと思います。
クラングフィルムのオイロッパクラルトンは70cmウーハー一発入りで長辺が約3.2m、短辺が約1.2m位でした。
少しづつサイズが異なり、各社ごとの工夫があるのでしょうが、基本構造はどれもMGMのシャラーホーンそのものですね。
すごく勉強になって、刺激的で、楽しい1日でした、I様、M様、有難う御座いました。
他にも以下の写真のようなお宝がゴロゴロ。
どれも解説不要の名器ですね。
ランシングシャラーホーンが横綱、Ks6368+555+A5(最古のタイプのA5です。新し箱よりずっと硬くて重い板で作られています)が大関、WE753システム(ドライバーは以前京都で聴かせていただき驚いたWE713)が関脇といったところでしょう。
753には確かWE25パワーアンプが充てられていたように思います。
どのシステムも聴きごたえ充分でした。
P.S.
I様、M様に午前中にベンプレ亭書斎によっていただき、我が家のバスビン、オイロダイン、WE13a、ロンドンウエスタン、グッドマンを聴いていただきました。
皆さん大人ですから、ズバリとは申されませんが、どうもベル・ハウエルの箱に入ったグッドマン・AXIOM22、べークダンパータイプの評価が高かったようです。
少々焦りましたが、お二方とも巨大なホーンシステムを普段聴いておられるので、「壺中の天」を感じられるAXIOM22が面白かったのでしょう。
いや、そういう事にしましょう、私にもそういう所がありますからw
この記事へのコメント
お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
グッドマンAXIOM22、仕上げておられましたね。
最後に一言、「焦らせて ごめんなさい」!
ランシングのシャラーホーン、一度聴いてみたいと思っていました。
I様にも宜しくお伝えくださいませ。
手前ミソですが、AXIOM22.バランスは良いと思います。長く楽しめる音ですね。
今後とも宜しくお願いします。