東洋経済に北砂ホームコロナ禍が掲載されました(これで北砂の記事はラスト)

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 本日発売の「週刊東洋経済」のp44~45にあそか会・特養北砂ホームの記事が掲載されました。これで取材を受けた新聞、雑誌、テレビ番組の掲載・放映は終了したと思います。
 北砂ホームもあそか会も、伯鳳会グループも第二波に備えつつもグループ内のコロナの第一波は終了しました。

 私は二本、会報や業界誌から記事を依頼され、学会の講演を一本頼まれています。
 会報は第二波に対する備えについてでしたが既に脱稿し、東京都都病院協会に寄稿しました。
 業界紙は少し捻ってあり、コロナ禍における経営リーダーシップに関して書いて欲しいとの事でした。

 私は今回のコロナ禍は一般医療とはとらえず、災害医療と捉えています。
 災害医療のポイントはいくつもあるのでしょうが、私が東京曳舟病院院長・山本保博先生(日本医科大学名誉教授・救急振興財団会長他)の講演を何度も拝聴し、なるほどと思ったのは「災害対応は一に自助、二に共助、三に公助」とのお言葉です。
 災害ととらえると、「自分の身は自分で守る」事が最初に行うべきことです。
 すなわち周囲の援助や公的な援助は遅れる事を覚悟して、自分でアクションする事です。

 今回のミッションはコロナ感染症患者様の救命とコロナ感染症の拡大防止でした。
 これに対して最初に自分で出来る事、やるべき事は何か。私の判断は北砂ホーム入居者、通所者、職員の全数PCR検査でした。

 これは公助を待っていては出来ません。それどころかブレーキをかけられる恐れがあります(事実そうでした)。
 共助、公助は後から来るものです。災害時には自助を独自の判断で敢行するべきだと考えました。

 自助が公助の意向とぶつかる事は想定内でした。われわれ病院・施設は我々の患者・入居者の生命を守るための最適行動、即ち臨床医療をやります。
 公助は区・都・国など行政単位の最適行動、即ち公衆衛生をやります。
 我々の行動(臨床医療)が地域(公衆衛生)の最適解とならない、合成の誤謬をもたらす可能性はあったと思います。

 しかしその検証は後日行われるものであり、我々を災害医療における被災者と捉えれば、自助に我々の力を集結する事は正しいと考えました。

 次に災害医療ですからトリアージが行われます。
 われわれがコロナ禍で望むものを羅列すると以下のようになるでしょうか。

1.コロナ患者様の救命
2.コロナ患者様の重症化を防ぐ
3.コロナ感染者の拡大を防ぐ
4.特養・病院の風評被害を防ぐ
5.法人の経営悪化を食い止める
6.事後に責任追及されることを防ぐ

 以上6項目のうち、赤タグ(治療に緊急を要する)は1.2.、黄色タグ(次に緊急を要する)は3.、緑タグ(後回しで可)は5.6.、黒タグ(救命の見込み無し、もしくは死亡)は4.でしょう。

 ですから我々はまず1.2.を行い、ほぼ同時に3.を開始しました。4.は諦めました。5.6.は1.2.3.が片付いてから考えれば良い事です。
 私は経営者ですから常に複眼的思考を心掛けていますが、災害時にすべてを満足させることは出来ません。

 たとえば5.を満足させようとコロナ専用病棟の制定や新規入所者の受け入れ停止、デイサービスの停止を行わなかったらどうなるでしょうか。より重要な1.2.3.が達成困難になります。

 6.を満足させようと行政の指示を鵜呑みにしてPCR検査を遅らせたり、出勤停止基準を柔軟に運用するように掛け合わなかったらどうなったでしょう。やはり1.2.3.は実現できなくなったでしょう。

 そして4.を達成するために、法人内外に情報を隠匿したらどうなったか。1.2.3.はもちろん達成できません(実は4.を最小限にとどめるために、敢えてマスコミに情報を広く公開し、我々の行動に非難されるべき点が無い、もしくは少ない事を示しましたが)。

 繰り返しになりますが、災害医療は全てのミッションに優先順位をつけ、「大の虫を生かして小の虫を殺す」覚悟が必要です。
 6.に関して、事後にもし行政から詰問されたら私が責任を取れば宜しい。
 別に私の医師免許がはく奪されたり、病院がお取り潰しになる事は無いでしょうから、恐れる事はありません。医療人としての倫理観を優先して行動するのみです。
 なーに、「山より大きい猪は出ない」ですからな。

 豊田章男(トヨタ自動車社長)氏はこう言ってます「経営者の仕事は決める事と責任を取る事、この二つだけだ」。

 次に東京曳舟病院名誉院長・石原哲先生(日本救急医学会評議員他)の講演スライドで感銘を受けた「くれない族になるな」を行動指針としました。
 災害現場では「○○してくれない」は禁句という教えです。
 とにかく共助、公助は遅れて当然なので我々は周囲への過度の期待はせず、「○○してくれない」は考えないように行動しました。

 最後にこれです「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」。
 戦時の標語ですが、災害時は戦時と同じです。物資の不足は常態であると考え行動しました。

 5名のコロナ感染死者を出してしまった事は深く反省し、ご冥福をお祈りするとともに、職員全員の、グループ全体の努力でひとまずコロナ抜けが出来たことを感謝いたします。
 
p.s.
 若い方向けに「くれない族」について解説を。 
 1984年に「くれない族の反乱」という大原麗子さん主演のヨロメキドラマ(この言葉も古いねw)、がありました。
 最近の「にげはじ」並みの人気でした。くれない族は流行語になりましたねw

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