ダブルウーファーは直列か並列か

(ベンプレ亭書斎のアンプ群の一部です。WE13aシステムのパワーアンプ6台、BASS BINシステムの一部のパワアン4台、チャンデバ、励磁電源、アイソレーショントランスなどが写っています。下右端の47Lab.のプリメインはAXIOM22用です)
ベンプレ亭書斎のメインシステムは3組あり、VITAVOX BASS BINシステム、ロンドンWEシステム、WE13aシステムですが、ウーファーが何れもダブルウーファーです。
バスビンは同社のAK157(7.5Ω)、ロンドンWEは同社の2080A(16Ω)、WE13aシステムはランシング415レプリカ(6Ω)です。
バスビンはVITAVOX社の指定は直列接続で15Ωにして使うようになっています。これはシングルウーファーのCN191(AK156、15Ω)とネットワークを同じ物(NW500)で鳴らすためというのが理由の一部では。
また、開発当時は真空管アンプの全盛期でしたので、OPTは16Ωの方が楽だというのもあったのでは。
私のバスビンはマルチアンプなので、長い間並列とし、3.75Ωをアンプの4Ω端子に繋いでいました。
これで特に困ったことは無かったのですが、一度直列15オームとしてアンプの16Ω端子に繋いだところ、その方が音にリアリティが出たように感じ、その後はずっと直列で使用しています。
ロンドンWE2080Aは16Ωですから、こちらは迷わず並列接続でアンプの8Ω端子に繋いでいます。
ランシング415は6Ωという低いインピーダンスです。ドライブアンプにWE124Jを使いましたが、こちらは出力端子の配線次第で1~1200Ω端子が選べますので、並列接続3Ωとして3~10Ωの端子に繋いでいました。
先日WE124Jの片chが故障しました。調べてもらった所、初段の6J7の不良でした。真空管が手に入るまで放置もナニですから、手持ちの是枝アンプ6L6GパラP.P.に繋いで鳴らす事にしました。
しかしこのアンプ、タンノイK3808用にあつらえましたので、出力端子が8Ωしか付いていません。裏返してOPTの4Ωのコードもしくは端子を探そうとしましたが、OPTの上に基盤が乗っかっていて探せません。8Ω端子に3Ωのスピーカーを繋ぐのはキモチワルイです。
それならスピーカーの方を並列から直列にして12Ωとして、8Ωの端子につなぐ手があります。早速片chを直列12Ω、もう片chを並列3Ωとし、どちらもアンプの8Ω端子に繋いで音を聴き比べてみました。
3Ωの方が音量が上がり、量感は出ますが、キレが乏しくボアンボアンした感じに鳴ります。415は直列12Ωの方がHIFIに聴こえます。
ウーハーの音量が大きすぎると得てしてそのように聴こえますので、音量の問題かもしれませんが…
ググると直ぐに出てきますが、アンプの出力端子のインピーダンスに比してスピーカーのインピーダンスが低い物を使うと、以下だそうです。
1.音量が増える
2.歪が増える
3.ダンピングファクター値がさがる
逆に高い物を使うと、以下の様です。
1.音量が減る
2.歪が減る
3.DF値が上がる
他に保護回路がドウノコウノ、トランジスタの破壊がナンノカンノとある様ですが、真空管アンプには関係ないと思います。
スピーカーから見ると、一個目のスピーカーの逆起電力が次のスピーカーに流れ込んで良くないと書いてあるものもありましたが、バスビンの経験ではそんな感じはしないけれど。
さて、このランシング415はランシング社の励磁型のレプリカで15インチ物です。当時はWE/ジェンセン4181など18インチウーファーが主流であったのですが、ランシングは15インチの方が音が良いと15インチウーファーを主流に市場に打って出ました。
最近のハイエンドスピーカーが小口径の複数個使用になって来たのとよく似てますね。
ここからはベンプレ親父の妄想ですが、18インチに対抗するには15インチ一発では低域のレンジなど不足しがちでは。ですから415は複数個使用が前提だったのではないでしょうか。そして直列使用時にインピーダンスが上がり過ぎない様に6Ωに抑えたのではないでしょうか(それにインピが低い程ボイスコイルの巻き数が少なくて済むので軽量化でき、能率もダンピングも上がりますしね)。
6Ωのウーファーを2個使うなら直列で12Ωにするのをデフォにしていたのではないでしょうか。当時は真空管アンプしかありませんでしたから。
415の前身、15XSが採用され、一世を風靡したMGMシャラーホーン(VITAVOX BASS BINの原型)は15XSを4個使用していました。
まさか全部並列で1.5Ωってことは無いでしょう。シリパラで6Ω、または全部直列で24Ωでは。
私は24Ωだった可能性が高いと思いますね、当時の真空管式PAアンプなら。それにシャラーホーンに使われたランシング284ドライバーのインピーダンスは24Ωだし。
この妄想が正しければ、415は直列使用がデフォという事です。直列使用は使用するスピーカーの諸特性が揃っていないと難しいそうですが、品質管理に関してはランシング社は当時のNo.1ですし、ランシングもソコには自信があったんじゃないかと思います。
そんなこんなで暫くは415のダブルウーファーも直列で聴いてみます。
ウーファーだけではなく、WE13a、カンノK597も付けて同時に聴いてみましたが、以前よりHIFIに聴こえます。でもWE124Jで並列3Ωにしていた時のアクの強さが薄らいだかもしれませんね。
この記事へのコメント
新型コロナウイルス(COVIDー19)では対応等々ご苦労なさったことでしょう、お察しいたします。
今回のテーマにはなるほどと思うことがありました、私のつたないAudioシステム(ベンプレ様とは比べるのも恥ずかしいですが)もダブルウーファーなので今年の5月にマルチアンプ化した時に並列か直列かで迷ってオリジナルと同じように暫くは並列接続で聴いていましたが今日直列に替えてみましたところ(プラシーボ効果かもしれませんが)音の粒立ちと言うか低域の音程がはっきりして全体的にクリアーに聴こえるようになったような気がします。
それを私の記事https://ameblo.jp/khrmthr/entry-12642569188.html)で参考のために勝手にLINK貼らせてもらいましたが差し支えがあるようならお知らせくださいLINKを切りますので。
まだまだ新型コロナウイルス(COVIDー19)の対応等でお忙しいとのご様子ですがおからだを大切になさってください。
エレボイのユニットは大変良いと私は思います。現行品では一番高性能でしっかりしていると思います。
アルテックはエレボイに吸収され、JBLも押され気味なのはEVの性能が良いからだと思います。大阪の友人はビンテージを含めていろいろ持っていて、メインシステムはEVの現行ユニットです。
さて、直列はユニットが均質なら悪さはしない筈なので、現行のEVには合うかと思います。
SPのインピーダンスが高くなったので、DFが向上し、良くなったのかもしれません。
実は私の415、WE124JのSP端子を3~10Ωにしたままで直列12Ωに繋いでみると、並列3Ωで鳴らした時よりも良いと思います。
真空管アンプはDFの低い物が多いので、アンプのSP端子より高めのインピーダンスの方が良いのかもしれません。
今後とも宜しくお願いします、
真っ先に思い浮かんだのは,菅野先生のお気に入りだった
https://audio-heritage.jp/MCINTOSH/speaker/xrt-22s.html
同じ面積であれば,同じ低域まで再生できるとの事ですよね?
最近のスーパーウーファはユニット2個で,しかも背中合わせで
自身の振動を打ち消すように組まれていますね?
ところで,DMATから要請が来てるのではありませんか?
ユニットの工業製品としての精度が上がれば上がるほどWウーファーは成功しやすくなり、ユニットの直列化もやり易くなるのではないかと思います。
私が使っている様なフィックスドエッジウーファーは反応が早く、スピード感や切れ味が持ち味だと思います。
この特徴をクセにしないように、DFの低めのアンプでドライブするのが正しい様に思っていましたが、アンプで無理に緩めない方が現代的な音がするように思いました。
もっともTRアンプでDF100とかのアンプじゃダメだとは思いますが。
伯鳳会グループでは東京曳舟病院にDMAT隊がありますが、その曳舟病院が新型コロナ感染症重点医療機関としてコロナファイトの真っ最中です。
そのせいかウチには北海道行きの要請はまだ来ていません。
早くワクチンが普及して本当のポストコロナが来ることを待っています。