伯鳳会グループのコロナ出口戦略を考える時期が来ました

 2020年は新型コロナ感染症に振り回された1年でした。春の第一派、夏の第二波、冬の第三派と続きましたが、最も大きな波であった第三派もこのところ収束に向かっています。
 新規感染者のピークは一月前で、このところ実効再生産数はずっと1を下回っています。重症患者数のピークも半月前、死者数もそろそろ減少に転じてきました。

 伯鳳会グループでは東京曳舟病院(墨田区)が2病棟52床(コロナ転用18床)、あそか病院(江東区)が1病棟42床(コロナ14床)、大阪暁明館病院(此花区)が2病棟64床(コロナ17床)はくほう会セントラル病院(尼崎)が1病棟21床(コロナ6床)、赤穂中央病院がコロナ4床をコロナ仕様に変更しています。
 コロナ転用にて一定の補助金(空床補償7.1万円、他に1月以降は新規転用補助金450万円/床)がありましたが、ひとまず補助金の支給が確定しているのは3月末までです。

 一時期高次機能病院への転院に難渋する事態が続いていましたが、このところのコロナ発生数の減少、重症者の減少により、最近は改善されてきました。入院待ちの自宅療養患者も減少しています。

 伯鳳会グループでは上記5病院の他に旭ヶ丘病院(埼玉県日高市)、城南多胡病院(姫路)でも発熱外来、帰国者接触者外来をやっていますが、明らかに受診者数も陽性者数も減少しています。

 少し違うのは、最近では市中感染が減り、病院や介護施設のクラスターが感染のメインになっている事です。どちらも高齢者が多いので、重症化率・死亡率が高くなる問題はありますが、市中感染と違って感染者を追う事ができ、戦局を限定化できるので抑え込む目途も立ちやすい。

 大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜の緊急事態宣言解除は目前と思われますし、大局的に見てコロナ感染症第三派は近日中に終息するでしょう。
 緊急事態宣言解除にはコロナ病床稼働率を下げなければいけませんから、分母を減らさないために4月中くらいは病床補助金が延長される可能性はありますが、経営者としては3月末で補助金は打ち切りと考えて動かなければ。

 2020年度はコロナ感染症によって「(不要不急の)医療機関への受診が減少した」事がわれわれ医療業界には経営上の最大の問題でした。
 病院には調子の悪い人が来るのですが、そのうちの一定の割合が重症で、入院治療が必要な人もそれなりにいます。
 しかしコロナ禍のため少々調子が悪くても病院に行かず市販薬で済ませる人が増えています。大半の人はそれでOKですが、入院が必要な人が一定程度は先送りになってしまいます。

 患者様の健康問題はそれとして、病院を気軽に受診する習慣がなくなると以下のような経営課題が生じます。

1.病院の外来が減るので外来経由の入院が減る
2.開業医の外来が減るので紹介入院が減る
3.健診受信者が減るので病気の発見が遅れ入院が減る
4.外出が減り、社会活動が抑制されているので救急車出動台数が減り入院が減る

 さて、4月以降は以上の1.~4.が何処まで改善されるでしょうか。
 実は日本人の年会外来受診回数は世界一で、日本人くらい気軽に病院にかかる国民は少ない様です。国民皆保険制度がある事や、「餅は餅屋」の国民性もあるのでしょう。
 これは平均寿命、健康寿命、乳幼児死亡率など多くの健康指標で日本が世界最高水準を保つことに寄与して来たと思います。しかしコロナ禍で「気楽に医療機関にかかる」という風習がかなり後退したと思います。
 さて病院の経営数値はどこまで戻るのか。

 日本の医療需要のピークは2023年と試算されていました。年齢別の一人当たり年間医療費と年齢別人口から計算されたものですが、日本人の受診行動が変わる事により2019年がピークで、もうこれを上回ることは無いでしょう。
 コロナによっていずれ来る未来が10年早まったという主張が散見されますが、医療・介護に関しては4年早まった事は間違いないですね。

 日本は国際比較にて病院数が多すぎる、ベッド数が多すぎる、外来受診回数が多すぎると言われてきました。そうはいっても平時には世界最高の健康水準をもたらしてきた現在の医療提供体制を無理に矮小化させるのは如何な物かと思っていましたが、コロナ禍による不景気と受信行動の変化によって以前よりささやかれていた医療オーバーストア問題はより顕在化するでしょう。

 過疎地、高齢化率の高い人口減少地で起きていたことが、どの地域でも予想より早く訪れるという事です。

 減少している受診行動のなか、それでも選択してもらえる医療の提供を模索し、地域ニーズを今まで以上に先取りして迅速な行動をとる必要があります。経営変革のスピードをさらに倍加させねば予想より早期に縮み始めたマーケットで生き残ることは出来ません。

 月並みですが、市場がシュリンクするときは全ての経営主体が一様にシュリンクする事はありません。弱い経営主体程経営悪化が進み、シェアを落として消失していきます。持ちこたえた経営主体は消失した事業所の顧客を取り込んでシェアを伸ばす事で経営悪化を食い止めます。
 環境が厳しい程、競争が激化し、弱肉強食が顕在化します。

 あとは自分たちが食う方に回りたいか食われる事に甘んじるかですね。
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 先日よりベンプレ亭のお米を写真の「コウノトリ育むお米」という兵庫県但馬地方のコシヒカリに変えました。
 コウノトリは一時絶滅しかけましたが、多くの人の尽力で、但馬地方にようやく野生種として生息する事ができ始めました。
 コウノトリの絶滅危機には多くの要因があった用ですが、一つには田んぼに農薬が撒かれ、水生生物や里山の生態系が変化してしまった事だそうです。

 私が子供のころは一面水田だらけでした。春は水の入っていない田んぼ一面にレンゲソウが咲き乱れていました。田んぼの肥料にするためです。水が入るとカエルが大声で鳴き、ザリガニ、タガメ、ゲンゴロウ、それたを狙うカラスヘビ、それをまた狙うトンビ…
 当時は当たり前だと思っていましたが生物の多様性がそこにはあり、生命があふれていました。

 しかし今では1962年に著された「沈黙の春」が日本中の水田に広がっています。
 里山の小動物を主食とする但馬のコウノトリが繁殖できる環境、小動物溢れる水田を実現するための無農薬・低農薬で作られたお米が「コウノトリ育む米・コシヒカリ」です。

 値段は割高ですがとてもおいしいですよ。世界中の主食をSDGs化すれば、地球環境問題は大きく改善する事でしょう。 

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